先日、11月24日のセヴラック協会でのあるお話をご紹介させてください。88歳現役ピアニスト、舘野泉先生は小さなころからピアノの練習が大好きだった。その訳は・・・・
「僕(舘野先生)の父は音楽家(チェロ)で、家でたくさんの子供たちを教えていた。
僕がピアノの練習をするときには、いつも横にいて、いろいろな物語を話してくれた。
怖い話を聴けば僕はボロボロ涙こぼして母は、「お父さんはいつも泉を泣かせる」と言っていたものだ。ある日の話は、森の中に入っていくとそこに明かりが灯っている…と言うような話を聞けば、嬉しくてあれこれ想像が膨らんだ。
姉はそんなのお父さんの話を、「そんなの作り話に決まってるじゃないの」と言っていたが、当時はその物語の世界の中で僕は夢中になった。
近所の子供達が、「泉ちゃん遊ぼう」と誘いに来ても、外で遊ぶことよりピアノの方が楽しかった。
父は、「音楽家ほど素敵な職業はない」といつも語っていて、兄弟は全員音楽家になった。
舘野先生はそういう幼少期の話をしてくださいましたが、この音楽の背景にある物語を、先生が子供にしてもいいですよね。子どもを音楽に夢中にさせるレッスンが出来たらいいですね。
私が「先生、演奏会の前は緊張されますか?」と質問すると、「ステージに出る前は少しは緊張するけれど、舞台に立った途端、もう違う世界に行っちゃっているんだよね」と答えられました。
幼少期の経験は大人になっても続いていくのですね。
人の前で弾く事は大切で、3人でも4人でもいいから演奏すると良い。
私の経験だか、一生懸命練習した曲を人の前で弾く。ドキドキ、ワクワクする。もちろん緊張するし心配にもなる・・・。でも弾き終わって大きな拍手をもらう。それは後日になっても忘れられない。その客席からの賞賛エネルギーが次への音楽の活力、ひいては明日を生きる力そのものになる。だからピアニストは舞台に出ることを止められない。
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