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セヴラックを愛するピアニスト

南フランス、ラングドック地方の平原を走ると小舟のように浮かぶ村々が現れます。そのひとつ、サン=フェリックス=ロラゲ Saint-Félix-Lauragais はデオダ・ド・セヴラックDéodat de Séverac (正しくはSévérac) の故郷です。船のマストのように見えるのは村の中心にある中世からの教会の鐘楼です。

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深尾由美子(ピアノ)プロフィール

桐朋学園大学大学院博士後期課程(ピアノ)修了。

桐朋学園大学ピアノ科卒業後、ヨーロッパ各地-イタリア、ウィーン、ドイツ-でピアノソロ、室内楽の研鑽を積み、日独青少年コンクール優勝者との演奏会(ドイツ、ボン他、日本各地)やフランス国営放送に出演する。

フランス国立リヨン地方音楽院室内楽科を首席で修了。リヨンではピアノソロおよび室内楽(ビオラ、クラリネットとの二重奏、ピアノ五重奏(弦楽器と、または管楽器と)、歌曲の伴奏で演奏会に数多く出演。リヨンの音楽院ドビュッシーホールでCD「良い香りのする音楽」(ラモー、セヴラック、ドビュッシー、Pascal de Montaigneの作品)を録音する。帰国後、ピアノソロ・アルバム「セヴラック、失われた時の音楽」(キング・インターナショナル)は「レコード芸術」誌で【特選盤】に選ばれ、そのピアノ演奏については、「…フランス流儀の色彩溢れる音色が美しく、生き生きとした表情とともにセヴラックの魅力を堪能させてくれる」、「〜こめられた気品と詩的ニュアンスには並々ならぬものがある。音楽に詩情を求める聴き手にとって、これは珠玉の1枚である」(読売新聞他)と評され、フランスでも絶賛された。

国内外での一流ソリストとの室内楽での共演は多数あり、なかでもフランスのヴァイオリンの至宝ジェラール・プーレとのデュオによる「ピレネーの太陽」(ラヴェル、サラサーテ、ファリャ、セヴラックの作品;キング・インターナショナル)は、「レコード芸術」誌で【特選盤】となり、フランスでも高い評価を得た。

2024年5月に「セヴラック・ピアノ作品全集vol.1~4」(La Paix Classiqueレーベル)をNMLからリリース、「月刊クラシック通信」に掲載され、「今週の一枚」に選ばれる。音源はSpotify、アップルミュージックなど各種メディアから配信されている。

博士学位論文「デオダ・ド・セヴラックの創作思想と作品」の成果をもとに、春秋社より『追憶の変奏曲』(セヴラック全ピアノ作品の解説&アナリーゼ本)を刊行予定(2024年度内)。論文、雑誌への寄稿や大学などでの公開講座でもセヴラックのみならず、フランス音楽の魅力を伝えている。バロックから古典・ロマン派、そして近代はもちろん現代の作品にわたって幅広いレパートリーをもつ。

日本音楽学会、日本セヴラック協会、日本フォーレ協会に所属。日本スペインピアノ音楽学会では査読委員を務める。

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