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《大地の歌》

  • 由美子 深尾
  • 2025年12月17日
  • 読了時間: 2分

~7曲からなる「ピアノによる農事詩」~

プロローグ

耕作

種まき

前夜のおはなし(間奏曲)

刈り入れ時

婚礼の日(エピローグ)

7つの作品は、いわば”音による農事詩”で、その舞台はピレネー山脈を背景に広がる故郷、サン・フェリックス・ロラゲの大地、とセヴラックは語っています。

各曲のタイトル通り、田園に暮らす農民の1年が描かれます。

重い労働を彷彿とさせる2曲目〈耕作〉の最後には、「愛する人L'Aimée」の存在が示唆され、種をまき、嵐や雹といった自然の災厄を乗り越えたその先に、実りの時期を迎え、秋の婚礼の日にはたくさんの鐘が鳴り、人々は飲んで踊ってお祭り騒ぎ~~そんな光景が目に浮かびます。実はこれ、セヴラックが愛読していたラテン語の古典文学、ウェルギリウスの『農耕詩』の一節と響き合っているのです。

敬虔なカトリックの家に育ったセヴラックは、ミサの通常文で歌われる《キリエ》をプロローグに引用し、続く各曲ではそのモチーフを発展させながら彼自身の歌を紡いでいきます。

セヴラックが聖歌をモチーフに主題を作っていく手法は、円熟期の作品《セルダーニャ》にも見られますし、彼のオルガン曲にも見られる手法です。

彼が故郷のラングドック地方を描いた2番目の作品《ラングドック地方にて》は洗練された技法が駆使され、当時の新聞『ル・タン』で絶賛されますが、そこに至る前の素朴な味わいこそが、《大地の歌》の魅力といえましょう。


 
 
 

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